削る前に、守りたい。
予防プログラムです。

- バイオフィルムを落とす「エアフロー」
- 歯科衛生士による「PMTC」
- 安心の「衛生士担当制」
「年齢を重ねれば歯が抜けて当然」そんなふうに思っていませんか?
実はそれ、大きな誤解です。
日本人が80歳になったとき、どれくらい歯が残っているかご存じでしょうか?
平成の初期には、80歳時点で歯が10本も残っていない人も珍しくありませんでした。
その後「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という8020運動の広まりもあり、意識は少しずつ変化。
厚生労働省の「令和4年 歯科疾患実態調査」によると、現在では80歳で平均16本以上の歯が残っているという結果が出ています。
とはいえ、しっかりと噛んで食事をするには最低20本の歯が必要だとされており、まだまだ理想の状態には届いていないのが現状です。
海外に目を向けると、状況は大きく異なります。
歯科医療の先進国として知られるスウェーデンでは、2013年の時点で80歳以上の人の平均残存歯数が21.1本というデータが報告されています(Swedish Dental Journal Vol.39, 2015)。
なぜここまでの差が生まれるのでしょうか?
その理由として挙げられるのが、「定期的なメンテナンスを受ける習慣の違い」です。
日本臨床歯周病学会の調査によると、スウェーデンでは国民の80%以上が定期的に歯科医院でのメンテナンスを受けているのに対し、日本ではその割合は10%未満にとどまっています。
つまり、歯を失わずに守り続けるためには、トラブルが起きてから治療するのではなく、日頃から予防的に歯科医院に通うことが重要だといえるのです。
日本では「歯医者=歯が痛くなったときに行くところ」というイメージが根強く残っています。
一方で、海外の特に歯科医療が進んでいる国々では「歯医者=虫歯や歯周病を予防するために定期的に通う場所」という考え方が一般的です。
つまり、年齢を重ねたから歯が抜けるのではなく、定期的なケアを行わなかったことが原因であるケースが多いのです。
もちろん、始めるのに「遅すぎる」ということはありません。
今からでもできることは、虫歯や歯周病になる前に、予防のために歯科医院で定期的なメンテナンスを受ける習慣を身につけることです。
お口の健康を守る第一歩として、ぜひ「予防」のための通院を始めてみませんか?
まずはじめに、現在のお口の状態を正確に把握するための検査を行います。
その結果をもとに、患者さん一人ひとりの口腔環境やリスクに合わせた、最適なメンテナンスプランをご提案いたします。
お口の健康を守るためには、画一的なケアではなく、個別性に配慮した丁寧なサポートが不可欠であると考えています。
歯周病の進行状況を把握するために「歯周ポケット」と呼ばれる歯と歯ぐきのすき間の深さを測定します。
この歯周ポケットの深さが1〜3mm程度であれば、歯ぐきは健康な状態と考えられます。
しかし、4mm以上の深さが確認された場合は、歯周病が進行している可能性が高くなります。
当院では、1本の歯について6個所の歯周ポケットを検査する「6点法」により、正確な診断を行っています。
CTやレントゲン検査は、肉眼では見えない歯や骨の状態を立体的・正確に把握するために欠かせません。むし歯や歯周病のごく初期段階、あごの骨の異常なども早期に発見できるため、予防的な処置が可能になります。症状が出る前にリスクを察知し、負担の少ない治療へつなげることができます。
口腔内スキャナーを使って噛み合わせの状態の検査を行い、歯にかかる力のバランスを細かくチェックします。
もし特定の歯に過度な力が集中していると、歯ぐきや歯を支える骨に過剰な負担がかかり、炎症が悪化する原因となるからです。
噛み合わせを適切に調整することで、治療の効果をより高めるとともに、歯の寿命を延ばすことにもつながります。
口腔内写真撮影は、歯や歯ぐきの状態を高精細な画像で記録できる検査です。むし歯・歯周病・噛み合わせの変化などを視覚的に確認でき、経過観察や治療方針の説明にも役立ちます。患者さんご自身が口の中の状態を客観的に理解できるため、予防への意識向上にもつながります。
歯の表面に残った歯垢を確認するために、歯垢だけを染め出す専用の薬液を使用します。
この検査によって、日々の歯磨きでどの程度歯垢を落とせているかを可視化することができます。
染め出しの結果をもとに、磨き残しの多い箇所や磨き方のクセを把握し、必要に応じて正しい歯磨き方法のアドバイスや歯ブラシ指導を行います。
当院は、スイスのEMS社が開発した先進的な予防プログラム「GBT(Guided Biofilm Therapy)」に基づき、予防歯科を行っています。
GBTの最大の特長は、虫歯や歯周病の根本原因である「バイオフィルム」に着目していることです。
バイオフィルムは、歯垢や歯石を守る粘着性の膜のようなもので、予防や治療を行う上では、まずこのバイオフィルムを取り除くことが非常に重要になります。
GBTによる予防歯科の中心となるのが、「エアフロー」という装置です。エアフローは、歯の表面に専用の微細なパウダーをジェット噴射することで、バイオフィルムを効率よく除去できます。。
EMS社のエアフローは、歯や歯ぐきを傷つけずに処置できるという特長があります。
歯科先進国のスウェーデン・イエテボリ大学では、EMS社製エアフローの性能が認められ、学内すべてのエアフローをEMS社製に統一するほどの信頼を得ています。
次の画像では、歯の汚れに特殊な染色剤を使用し、実際にエアフローがどのように汚れを落としているかをご覧いただけます。
毎日の歯磨きは、虫歯や歯周病を予防するうえで欠かせません。
予防歯科の中心的な存在といえば、歯の健康を守る専門家「歯科衛生士」です。
歯科衛生士は、常に患者さん一人ひとりのお口の状態に真摯に向き合い、適切な処置と的確なアドバイスを提供するために日々努めています。
当院では、そうした歯科衛生士の力を最大限に活かすために「歯科衛生士担当制」を導入しています。
患者さんそれぞれに専属の歯科衛生士がつくことで、継続的にお口の状態を把握しやすくなり、生活習慣や体調の小さな変化にも気づきやすくなりました。
その結果、トラブルの兆候を早期に察知し、的確な予防アドバイスやケアを提供できています。
これからも、信頼関係を築きながら、より質の高い予防歯科の実現を目指していきます。
当院では「栄養指導」も重要な予防ケアの一環として取り入れています。
歯科医院で栄養アドバイスを行うことに驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし「歯の健康」と「全身の健康」は深く関わり合っています。
たとえば、歯周病は糖尿病や心臓病などの生活習慣病と密接に関連していることが、近年の研究で明らかになっています。
そのため、毎日の食事内容を見直すことは、お口だけでなく身体全体の健康維持にもつながります。
当院では、患者さん一人ひとりの食生活や体質を踏まえながら、お口と全身の両面から健康を支える栄養アドバイスを行っています。
「食べること」から始める健康づくりを、歯科の視点からもサポートしています。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。